股関節の構造と筋の作用
股関節のアナトミー
ここでは股関節の関節構造をわかりやすく説明することで、筋の作用を理解して痛みの出ない体つくりにお役立てしていただけます。
股関節の役割
股関節の運動
股関節は臼上関節のため、安定性に優れている関節であるが運動も多方向に可動する関節です。
可動域 | 主な制限 | 制限による痛みとの関係 | |
屈曲 | 125度 | ハムストリング 坐骨大腿靭帯 | 股関節前面痛 歩行時痛 |
伸展 | 20度 | 腸骨大腿靭帯 大腿直筋 | 歩行時痛 反り腰 |
外転 | 40度 | 恥骨大腿靭帯 内転筋 | 回避動作時 鼠径部痛 |
内転 | 20度 | 坐骨大腿靭帯 大腿筋膜張筋 | 歩行時痛 膝痛 |
外旋 | 45度 | 坐骨大腿靭帯 外旋筋 | 体幹回旋時の腰痛 方向転換時の股関節痛 |
内旋 | 45度 | 腸骨大腿靭帯 内旋筋 | 体幹回旋時の腰痛 方向転換時の腰痛 |
股関節の筋肉
股関節を曲げる筋肉
大腰筋(だいようきん)
大腰筋は股関節を曲げる(屈曲)動作の主動作筋であり、太ももの骨を固定した場合は体幹を曲げる(屈曲)をし、補助筋としての作用は、股関節を横に広げる(外転)を行います。
痛みとの関係としては、大腰筋が硬くなると骨盤の前傾や腰椎の前弯を強くしてしまうため、腰痛の原因となってしまう。
関連する疾患
慢性腰痛・脊柱管狭窄症・坐骨神経痛・股関節屈曲拘縮・変形性股関節症など
腸骨筋(ちょうこつきん)
腸骨筋の作用は主には大腰筋と同様の作用を同じですが、さらに股関節前面の痛みやしびれなどは腸骨筋由来の場合も多い。
腸骨筋による関連疾患
慢性腰痛・脊柱管狭窄症・坐骨神経痛・股関節屈曲拘縮・変形性股関節症など
股関節を曲げる筋肉のバイオメカニクス
股関節屈筋は脊柱起立筋、大腿直筋とともに骨盤の前傾を引き起こし、腰椎前弯を強める。
過度な腰椎前弯は椎間関節への圧迫を強め、椎間関節性の腰痛を引き起こす。
椎間関節性の腰痛では、腰椎を中心にボヤっとした痛みを訴える方が多い傾向にあります。
この骨盤前傾を抑制するのが腹直筋下部と大殿筋下部の収縮である。
上向きで寝た際に腰椎の正常な前弯は手のひらが一枚通るか通らないかであるが、股関節屈筋や大腿直筋が腹直筋などの筋に比べて優位になると骨盤の前傾が強くなり、反り腰の状態となる。
日常生活で夜の就寝中に腰が痛くなることや、寝起きに腰痛で起き上がれないなどの症状を起こしてしまうことが多いです。
股関節屈筋の重要性についてお話ししてきましたが、日常生活やスポーツにおいて、これらの筋肉がどれほど私たちの動きに影響を与えるかを再認識していただけたのではないでしょうか。適切なストレッチや強化運動を取り入れることで、股関節の柔軟性や安定性を向上させ、怪我の予防にもつながります。
八王子ライフ整骨院では、個々のニーズに合わせた施術やトレーニングプランをご提案しています。股関節に不安を感じている方や、パフォーマンス向上を目指す方は、ぜひお気軽にご相談ください。健康な体を手に入れるために、一緒に取り組んでいきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも皆様の健康をサポートできる情報をお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!