「腰が痛い=腰が悪い」とは限らない

「腰が痛いから、腰の骨が悪いんだろう」と思っていませんか?
実はそれ、間違いです。
日本整形外科学会などの調査によると、腰痛のうち約8割(80%)は原因がはっきり特定できないといわれています。
つまり、レントゲンやMRIを撮っても異常が見つからない腰痛が圧倒的に多いのです。
このような腰痛を「非特異的腰痛(ひとつの原因に特定できない腰痛)」と呼びます。
🩻【エビデンス】腰痛の多くは“腰以外”が関係している
🔹画像検査で異常がなくても痛い理由
アメリカの研究では、腰椎の変形や椎間板のすり減りがあっても痛みを感じない人が多いことが分かっています。
逆に、MRIで「異常なし」と言われた人が強い痛みを感じているケースも少なくありません。
つまり、
「腰の構造異常=痛み」
ではなく、
「体全体のバランスや使い方の乱れ=痛み」
ということが分かってきています。
💡では、腰痛の“本当の原因”はどこにあるの?
① 骨盤・股関節の歪み
骨盤が傾いたり、股関節の動きが悪くなると、腰が余計に頑張ることになります。
結果、腰の筋肉が張りすぎて痛みが出やすくなります。
② 背中やお腹の筋肉バランス
「腹筋が弱い」と言われがちですが、実は背中とお腹のバランスが大事です。
どちらかが強すぎたり、弱すぎると、腰に余計な力がかかります。
③ 呼吸の浅さ
意外に知られていませんが、浅い呼吸も腰痛の原因。
呼吸が浅いと腹圧(お腹の中の圧力)が下がり、腰を支える力が弱まります。
④ 自律神経の乱れ・ストレス
ストレスが続くと、体は常に“緊張モード”に。
筋肉も硬くなり、血流が悪くなって回復しづらくなります。
これは医学的にも「心因性腰痛」と呼ばれるメカニズムで説明されています。
⑤ 長時間の同じ姿勢
「動かない時間」が長いこともリスクです。
デスクワーク、スマホ操作、車の運転などで1時間以上同じ姿勢を続けると、
腰の骨や筋肉が圧迫され、血流が滞ります。
🔬【データで見る】腰痛と生活習慣の関係
- 長時間の座位が続く人は、腰痛リスクが1.4倍
- 睡眠時間6時間未満の人は、慢性腰痛率が約2倍
- 強いストレスを感じている人は、腰痛リスクが3倍近く
(※出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」、Lancet Public Health 研究レビュー など)
このように、腰痛は「筋肉」や「骨」の問題だけでなく、
生活のリズム・心の状態・体の使い方と深く関係しているのです。
🧭 改善のカギは「全身を整えること」
🔹1. 姿勢と呼吸を整える
背中を反らせすぎたり、胸を張りすぎるのもNG。
正しい姿勢は「軽くあごを引き、肋骨の下と骨盤の上がまっすぐ」のラインです。
呼吸を深く行うと、自然に腹圧が高まり腰への負担も軽くなります。
🔹2. 骨盤と股関節の動きをつける
骨盤が硬いと、腰に負担が集中します。
軽いストレッチや整体で骨盤と股関節の可動域を広げることが大切です。
🔹3. ストレスケアと睡眠
腰痛は“体の警告サイン”です。
ストレスを感じたら、軽い運動・深呼吸・お風呂などでリラックスしましょう。
睡眠中に体は修復されるため、「寝ても疲れが取れない」人は特に要注意です。
🏥 八王子ライフ整骨院の考え方
私たちは「腰だけを見る」治療ではなく、
- 姿勢・呼吸・骨盤の動き
- 自律神経・ストレス・生活習慣
などをトータルにチェックします。
**「腰痛の原因は腰以外にある」**という視点から、
再発しない体づくりをサポートします。
📌 まとめ
- 腰痛の約8割は「腰そのもの」に原因がない
- 骨盤・股関節・呼吸・ストレス・姿勢が深く関係している
- 大切なのは、「全身を整える」こと
腰の痛みをきっかけに、体全体の使い方を見直すチャンスです。
“腰だけ揉む”より、“体を整える”が本当の改善につながります。

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